Jackery708で停電対策はできるの?

Jackery 708の正面と500mlペットボトルを並べたサイズ比較 防災・ガジェット
500mlペットボトルと並べたJackery 708

こんにちは、コーディーです。

台風や地震のニュースを見るたびに、押し入れのポータブル電源を思い出す。でも、出して確かめたことはない。

そんな方に向けて書きました。

モンロー
モンロー

停電のニュースを見るたびに気になります。押し入れのJackery 708、これで停電対策になっているんでしょうか。

モンロー
モンロー

そもそも5年前に買ったきりです。いざというとき、家族3人分をまかなえるものなんですか。

コーディー
コーディー

結論から言うと、まかなえるものと、まかなえないものがあります。冷蔵庫とエアコンは無理です。

コーディー
コーディー

一方で、扇風機を回しながらスマホを空から満充電にしても、減ったのは15%だけでした。5年放置した実機で測っています。

コーディー
コーディー

この記事を読み終えるころには、停電の夜に708で何が守れて、何が守れないのかが分かります。

この記事にはアフィリエイトリンクを含みます。掲載している価格・仕様は執筆時点のものです。
この記事で分かること
  • 708で守れるもの・守れないもの(冷蔵庫とエアコンは動きません)
  • 扇風機とスマホを同時に使った実測データ
  • 5年放置した個体が、今も公称どおりに充電できるか
  • 停電の夜、家族3人で何を優先して使うか
  • このまま使うか、現行モデルに買い替えるかの判断基準
Jackery 708の正面と500mlペットボトルを並べたサイズ比較
500mlペットボトルと並べたJackery 708

停電時にJackery708で何ができたか【実測】

この記事でいちばん見てほしいのは、次の表です。

扇風機とスマホを同時に使ってみた

注目してほしいのは、扇風機を回したままiPhoneを残量15%から100%まで充電しても、Jackeryの減りは15%でした。

90分間、扇風機(弱)とiPhone 17eを同時につないで記録しました。iPhoneはACコンセントにApple 30Wアダプターを挿しています。

Jackery 708に扇風機とiPhoneを同時につないだ状態。扇風機はACコンセント、iPhoneはApple 30Wアダプター経由
扇風機とiPhoneを同時に接続。この状態で90分間記録した
経過時間Jackeryの残量出力表示iPhoneの残量
開始(0分)100%70〜80W15%
9分98%65W30%
15分97%68〜74W45%
24分95%78〜80W60%
38分93%70〜72W75%
60分90%62〜63W90%
90分85%54〜56W100%

※出力表示は扇風機とスマホ充電の合計値です。すべて実測。

Jackery 708の液晶が残量89%・出力63Wを表示し、iPhoneは90%充電済みと表示
テスト中盤の実際の画面。残量89%、出力63W、iPhoneは90%まで回復

表の数字は、この画面をそのまま書き写したものです。

もうひとつ面白いことは、扇風機はこの後も約10時間30分、回し続けられる計算になることです。

残り85%を、扇風機だけを回したときの実測(30分で4%=1時間で8%)で割った数字です。

出力表示が80Wから55Wへ下がっていくのも、この表の見どころです。

iPhoneは満充電に近づくほど、受け取る電力を絞ります。90分後の54〜56Wは、扇風機だけを回したときの50W表示に近い値です。この時点で、iPhoneはほとんど電気を使っていません。

スマホの充電は「最初だけ重くて、あとは軽い」。それが表の中で追えます。

あらためて、残り85%からの計算を整理します。

状況残量扇風機が動く時間
同時使用テストの終了時点85%約10時間30分

つまり、スマホを1台満充電にしたあとでも、扇風機は一晩は回せる計算になります。

扇風機を回したまま、スマホ2台を充電したら?

家族3人なら、スマホは1台では済みません。扇風機は回したまま、スマホを1台ずつ2台充電した場合を計算します。

土台にするのは、2つの実測値です。

  • 扇風機だけ:1時間で8%減る
  • 扇風機+スマホ1台の充電:90分で15%減る(上の表の実測)
段階かかる時間残量
スマホ2台を充電(扇風機は回したまま)3時間100% → 70%
そのあと扇風機だけを回す約8時間45分70% → 0%
扇風機が回り続ける合計時間約11時間45分

扇風機を止めずにスマホ2台を充電しても、合計で11時間45分ほど回せる計算になります。

扇風機だけを回した場合の約12時間30分と比べると、スマホ2台ぶんで45分ほど短くなるという関係です。

夜10時に停電したとして、スマホ2台を充電しながら扇風機を回し、朝までもつ。そういう見通しが立ちます。

ここは計算であって、実測ではありません
  • 扇風機の連続テストで実際に測ったのは、100%から81%までです
  • そこから先も同じペースで減るかどうかは確かめていません
  • スマホの消費も、機種・電池の劣化・残量によって変わります
  • 上の時間は目安です。ご自宅の家電で一度試して確かめてください
この表から言えること・言えないこと
  • 言える:90分で残量が15%減った。その間にiPhoneは15%→100%になった
  • 言える:出力表示は80W台から55Wへ下がった
  • 言えない:扇風機とiPhoneがそれぞれ何Wh使ったかの内訳。切り分けて測っていないため、按分は推測になります

ここから、他に測った数字もまとめてお伝えします。

5年放置した個体でも、充電と放電はひととおり問題なく動きました。

測った数字は3つです。

検証内容結果
0%→100%の充電5時間00分(公称 約5時間)
扇風機(48W)の連続運転2時間28分で残量19%消費、本体の発熱なし
スマホ1回のフル充電残量は6%しか減らなかった

充電時間が公称と一致したことが、いちばん大きい発見でした。

5年ぶりでも、途中で止まらずに満充電まで入りました。

ただし、ここから言えるのはそこまでです。 「容量が減っていない」「電池が健康だ」とまでは言えません。理由は後半で説明します。

この記事の結論
  • 5年放置しても、充電は公称どおり5時間ちょうどで完了した
  • 扇風機は30分あたり4%という一定のペースで減った
  • 2時間28分の連続運転でも、本体は熱を持たなかった
  • 持っているなら使い切る価値がある。これから備えるなら現行モデル

「動いた」ことと「家族に足りる」ことは別です

ここを混ぜないでください。動いたからといって、備えが完成したわけではありません。

確認できたこと確認していないこと仕様上できないこと
0%から100%まで充電できた満充電から止まるまでの実際の容量定格500Wを超える家電
扇風機1台を148分動かせた家族3人分を同時につないだ状態停電時の自動切り替え(UPS)
スマホ1台を充電できた冷蔵庫・照明・ルーターの実消費50Hz専用の家電
扇風機とスマホの2台同時で90分動かせた家電4台以上を同時につないだ状態エアコン
2時間28分で発熱がなかった停電2日目以降の運用調理家電(電子レンジ等)

今回わかったのは、真ん中の列より左だけです。

「わが家の防災用として十分か」は、必要な家電と必要な時間を決めてからでないと判断できません。この記事の後半で、その決め方をお伝えします。

理由を、写真と実測データで説明していきます。

この表の「確認していないこと」は、別の記事で実測しました

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使う前に確認してほしい3つのこと

数年ぶりに動かす前に、必ず確認してください。

ここだけは飛ばさないでほしいところです。

動かす前の3つの確認
  1. STEP 1本体が膨らんでいないか:側面や底面をなでて、ふくらみがないか確かめる
  2. STEP 2異音・異臭がないか:甘いにおい、焦げたにおい、「シュー」という音が続いていないか
  3. STEP 3充電中に熱くなりすぎないか:温かい程度は正常。手で触り続けられないほど熱いかどうか

本体が膨らんでいないか

側面や底面が膨らんでいたら、使わずに止めてください。 充電もしないでください。

膨張は電池が傷んでいるサインです。

膨らんでいる機体は自分で処理しない
  • 箱に詰めて送るのも危険です
  • まずメーカーの問い合わせ窓口に状態を伝えて、指示を仰いでください
  • 「とりあえず充電してみる」は、いちばんやってはいけない対応です

異音・異臭がないか

甘いような、焦げたようなにおいがしたら止めてください。

動作中に「シュー」という音が続く場合も同じです。

充電中に本体が熱くなりすぎないか

温かくなるのは正常です。

ただし、手で触り続けられないほど熱いなら止めてください。

筆者の個体は、扇風機を2時間28分連続で回したあとも、底面・側面ともに熱を持っていませんでした。

この3つに問題がなければ、そのまま点検を進めてください。

なお、筆者が確かめたのは自分の1台だけです。保管していた場所の温度も、それまでの使用回数も、ご家庭ごとに違います。

「5年放置でも大丈夫」と一般化するつもりはありません。 ご自身の1台がどうかは、ご自身で確かめる必要があります。この記事はその手順をお伝えするものです。

1分でできる「わが家の棚卸し」

点検の前に、これだけ決めておくと後の判断が早くなります。

停電した夜、わが家が残したいものはどれですか。

当てはまるものを選んでください
  • 家族のスマホを充電できればいい
  • 夜間の照明を確保したい
  • 扇風機を使いたい
  • Wi-Fiルーターを使いたい
  • 冷蔵庫を動かしたい
  • 調理家電を使いたい
  • 停電したら自動で電源が切り替わってほしい
  • 2日目以降も電気を使いたい

上の4つだけなら、708はそのまま使える可能性が高いです。

太字の4つにひとつでも当てはまるなら、708では届きません。 出力・機能・容量のどれかが足りないからです。どこが足りないのかは、記事の後半で1つずつ説明します。

「家族を守る」という言葉のままだと判断できません。「停電した夜、何を、何時間残したいか」まで具体化すると、答えが出せるようになります。

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Jackery 708の外観を実機レビュー

Jackery 708の正面。中央に液晶、左に入力端子、下にDC出力とAC出力
液晶を中心に、入力と出力がまとまっている

液晶は本体の中央にあります。残量がパーセントで出るので、「あとどれくらい使えるか」がひと目でわかります。

左に入力端子、下にDC出力とAC出力が並ぶ配置です。

ポート構成と「60Hz固定」の注意

Jackery 708のACコンセント2口とPURE SINE-WAVE 100V 60Hz 500Wの刻印
コンセントの下に「100V 60Hz 500W」と刻印されている

コンセントは2口です。そのすぐ下に、こう刻印されています。

PURE SINE-WAVE 100V 60Hz 500W

注目してほしいのは「60Hz」です。 708のAC出力は60Hz固定で、50Hzには切り替わりません。

東日本(50Hz地域)にお住まいで、銘板に「50Hz」とだけ書かれた家電を持っている場合、その家電は708では使えません。動かしたい家電の裏側のシールを、先に確認してください。

「50/60Hz」と書かれていれば問題ありません。

DC出力とUSBポート

Jackery 708の入力端子、シガーソケット、USB-C PD 60W、USB-A 2口
USB-C・USB-A2口・シガーソケットが並ぶ
  • USB-C(PD 60W)×1
  • USB-A(5V 12W)×2 ※うち1口はQuick Charge 3.0対応
  • シガーソケット(12V DC 120W)×1

ACコンセント2口と合わせて、差込口は全部で6つです。

ただし内訳は正確に把握しておいてください。スマホを直接挿せるのはUSBの3口だけです。4台目からはACコンセントに充電器を挿す必要があります。

家族3人で使うなら、充電器も一緒に保管を
  • USB 3口+AC 2口。スマホ4台を同時に充電するなら、USB充電器を1つ余分に入れておくと確実です
  • 照明やルーターも同時につなぐと、口数はすぐ足りなくなります
  • 2台同時(扇風機+スマホ)は実測しました(記事の冒頭に表があります)。ただし4台同時は測っていません

サイズ・重さ・付属品

側面と放熱口

Jackery 708の側面にあるオレンジ色の放熱口とハンドル
オレンジ色の部分が放熱口。ここを塞がない

側面にはオレンジ色の放熱口があります。ここを塞がないことが、安全に使ううえで大事なポイントです。

押し入れやクローゼットに詰め込むとき、この面を壁に密着させないでください。使用中は特に、左右に手のひら1枚ぶんの余白をとると安心です。

ハンドルは太めで、握ると手のひらにしっかり収まります。片手で持ち上げられる形状です。

サイズと重さ

Jackery 708の側面と500mlペットボトルを並べたサイズ比較
高さは500mlペットボトルとほぼ同じ

重量は約6.8kg。数字だけだとピンときませんが、500mlのペットボトルと並べると、想像より小さいという印象になります。

高さはペットボトルとほぼ同じ。奥行きは意外と薄く、玄関の棚やクローゼットの下段にも収まります。

「防災用に買ったが、置き場所に困って押し入れの奥へ」という流れは、このサイズ感なら避けられます。取り出しやすい場所に置けることが、いざというときに使えるかどうかを分けます。

付属品

Jackery 708の付属品。収納ポーチ、ACアダプター、電源ケーブル、シガーソケット用充電ケーブル
付属品は収納ポーチにまとめて入る

箱に入っていたのはこれだけです。

  • 収納ポーチ(Jackeryロゴ入り)
  • ACアダプター(充電用)
  • 電源ケーブル(アース付き3ピン)
  • シガーソケット用充電ケーブル

追加で買い足したものはありません。 箱から出してすぐ使えます。

ケーブル類は収納ポーチにまとめて入ります。本体とポーチをセットで置いておくと、停電時に「アダプターがどこかにいった」という事態を防げます。

Jackery 708で家電を動かしてみた【実測】

ここがこの記事の本題です。

検証方法と実測結果

測りかたの手順
  1. STEP 1708を100%まで満充電にする
  2. STEP 2家電をつなぐ(1台ずつの測定と、2台同時の測定を分けて行う)
  3. STEP 3液晶に出た消費電力(W)を記録する
  4. STEP 4一定時間動かし、残量(%)の変化を30分ごとに記録する

電池の減り方は「表示W×時間」では計算しません。 理由は後で説明します。

実測結果

家電液晶の表示使用時間残量の変化
扇風機(30cm・公称48W)起動54W → 安定50W148分100% → 81%(19%消費)
スマホ(USB-C PD)起動43W → 安定36W123分100% → 94%(6%消費)
Jackery 708の液晶。残量100%、出力54Wを表示
扇風機の起動時は54W。すぐに50Wで安定した
Jackery 708の液晶。残量99%、出力36Wを表示
スマホ充電の安定時は36W表示

減り方が一定だった

扇風機の連続運転では、30分ごとの残量をすべて記録しました。

通算残量30分での減り
0分100%
28分96%−4%
58分93%−3%
88分89%−4%
118分85%−4%
148分81%−4%
Jackery 708の液晶。残量96%、出力51Wを表示
開始から28分後。残量96%、表示は51W

30分で4%ずつ、ほぼ一定でした。

途中で急に落ちたり、表示が飛んだりすることはありません。5年放置した個体でこの素直さは、正直なところ予想以上でした。

動かなかった家電

今回は定格500Wを超える家電(電子レンジ・電気ケトル・ホットプレート)は試していません。 保護回路が働いて止まることがわかっているうえ、無理な負荷をかける意味がないからです。

「試したが動かなかった」ではなく「そもそも動かない前提の家電」として扱っています。

冷却ファンと発熱

扇風機を2時間28分回し続けても、本体は熱を持ちませんでした。 底面・側面ともに、触って冷たいままです。

ファンの音にも異常はありませんでした。

ただし、これは50W程度の軽い負荷を2時間半かけた場合の話です。

「発火しない」と言い切れる検証ではありません
  • 試したのは扇風機1台(約50W)だけです。定格500Wに近い高負荷は試していません
  • 充電中の発熱も、外側を触って確かめただけです
  • 電池の内部がどうなっているかは、外から見ても分かりません
  • 外側が熱くならなかった。それ以上のことは言えません
  • 少しでも異常を感じたら、使用を止めてメーカーに相談してください

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Jackery 708は何時間使える?

実測から計算します。ただし、ここは「実測」ではなく「推定」であることを先にお断りします。

実測でわかっていること

  • 満充電から2時間28分で19%減った
  • 減り方は30分あたり4%でほぼ一定だった

そこから計算できること

1時間あたり8%のペースです。このまま続けば、こうなります。

条件時間
100%から使い切るまで約12.5時間
100%から残量20%まで(実用範囲)約10時間
一晩8時間つけっぱなし朝の残量は約36%
この時間は「実測」ではありません
  • 実際に測ったのは100%から81%までです
  • 残りの81%も同じペースで減るかどうかは、確かめていません
  • 電池は残量が少なくなるほど挙動が変わることがあります
  • 上の表は「このペースが続いた場合の計算」であり、保証された数字ではありません

夏の停電で一晩を越えられそうか、目安にはなります。 ただし、実際にご自宅の扇風機で一晩試して確かめることをおすすめします。

なぜ「表示W×時間」で計算しないのか

ここが、他のレビューと違うところかもしれません。

今回の扇風機で、3つの数字を並べてみます。

数字
扇風機の公称消費電力(60Hz時)48W
708の液晶の表示50W
残量の減りから逆算した実際の消費約54W

液晶の表示より、電池は1割ほど多く減っていきます。

電池の中身は直流で、コンセントに出すときは交流に変換します。その変換で失われるぶんが、液晶には出てきません。

だから「50W × 時間」で計算すると、実態より長い時間が出てしまいます。実際、50W × 15時間 = 750Whとなり、公称の708Whを超えてしまうのです。物理的にありえない数字です。

この記事では、残量%の変化から逆算した数字だけを使っています。

ズレは逆向きにも出ます

スマホ充電では、液晶は起動時に43W、落ち着いてからは36Wを表示しました。

ところが残量の減りから逆算すると、平均は約21Wでした。

充電が進むほど電流が絞られるため、表示は最初のピークだけを見せていたことになります。

どちらの向きにもズレます。だから表示Wの掛け算は使えません。

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充電は今も公称どおりか【実測】

5年放置した個体で、いちばん知りたかったところです。

0%から100%まで、ACアダプターのみで5時間00分でした。

時間
公称(ACアダプターのみ)約5時間
今回の実測5時間00分

条件はメーカーの公称値と同じ、ACアダプター単独です。USB-Cとの同時充電はしていません。

分かったのは「異常停止せず、公称どおりの時間で満充電表示になった」ということです。

途中で止まることも、極端に時間が延びることもありませんでした。

充電時間だけでは「容量」は分かりません
  • 満充電までの時間が同じでも、実際に取り出せる電力量が同じとは限りません
  • 容量を確かめるには、満充電から自動停止するまで一定の負荷をかけ続けて測る必要があります
  • 筆者はそこまでやっていません。この記事で「容量が減っていない」とは言えません
  • 分かっているのは「充電は正常にできた」ところまでです
満充電(残量100%)を表示するJackery 708の液晶
満充電の状態。残量は100%

Jackery 708の口コミ・評判

筆者ひとりの感想では判断材料が足りません。使用感の傾向を見るために、楽天市場と価格.comの購入者レビューも確認しました。

以下は個別のレビューを引用したものではなく、目立った声を要約したものです。数値は載せていません。検証できない数字を他人の口から借りるのは、この記事の趣旨に反するからです。

良い評価に多かったもの

  • 思っていたより長く持つ
  • 複数の機器を同時につなげるのが便利
  • 性能・重さ・大きさのバランスがいい

同時接続を評価する声が目立ちました。 ポートが6口ある効果だと思います。実際に使っていても、容量より口数のほうが日常の便利さに効いている実感があります。

出典:楽天市場 みんなのレビュー価格.com Jackery ポータブル電源 708(いずれも確認日は執筆時点)

気になる評価に多かったもの

  • ACをオンにしたままだと、何もつないでいなくても電池が減っていく
  • コンセント出力で使うとファンの音が気になる場合がある

待機電力については、具体的な数値をこちらで検証できていません。 今回の測定は扇風機を接続した状態のもので、無負荷での消費は測っていないためです。

そのため、ここでは「待機電力がある」という事実だけを扱います。

保管するときはACをオフに
  • ACをオンにしたままだと、何もつないでいなくても電池が減っていきます
  • 押し入れにしまう前に、ACのスイッチを切ってください
  • 久しぶりに出したら残量が減っていた、という場合はここを疑ってみてください

実際に使ってわかったデメリット4つ

先にデメリットから書きます。

知りたいのは良い点より「後悔しないか」だと思うからです。

弱点だと感じた4つ
  • 定格500Wの壁がある(調理家電は使えない)
  • AC出力が60Hz固定(50Hz専用の家電は動かない)
  • 電池の寿命設計が現行モデルより短い
  • UPS機能がない(自動で切り替わらない)
強みだと感じた4つ
  • 5年放置しても公称どおり動いた
  • ポートが6口あって取り合いにならない
  • 6.8kgは一人で運べる重さ
  • 残量がパーセントで表示される

定格500Wの壁がある

電子レンジ、ドライヤーの温風、電気ケトル、ホットプレート。このあたりは使えません。

ただし、これは弱点というより設計の割り切りです。500Wに絞ったから6.8kgに収まっていて、片手で運べます。

「調理は火とカセットコンロ、電気は照明と通信に回す」と決めてしまえば、困る場面はほとんどありませんでした。

AC出力が60Hz固定

50Hz専用の家電は使えません。東日本にお住まいの方は、動かしたい家電のラベルを先に確認してください。

とはいえ、最近の家電はほとんどが「50/60Hz」両対応です。今回使った扇風機も両対応でした。引っかかるのは古い家電の一部だけだと思います。

電池の寿命設計が現行モデルより短い

708は三元系リチウムイオン電池で、公称は約500サイクルで容量80%です。現行モデルはリン酸鉄で数千サイクル。世代の差がはっきり出ます。

ただし、防災用として年に数回動かす使い方なら、充放電の回数はなかなか増えません。

ここで注意したいのは、電池が傷む原因は充放電の回数だけではないということです。時間が経つだけでも、保管場所が暑すぎても劣化します。

708はすでに発売から5年経っています。サイクル数に余裕があるから、この先も10年使えるという読み方はできません。

UPS機能がない

停電したときに自動で切り替わる機能はありません。冷蔵庫をつなぎっぱなしにして備える、という使い方はできません。

逆に言えば、コンセントを差し替えるだけの操作です。 家族の誰でも扱えます。停電したら誰が何をつなぐか、一度決めておけば十分に回ります。

実際に使ってわかったメリット4つ

5年放置しても公称どおり動いた

これがいちばんのメリットでした。充電は5時間ちょうど、放電の減り方は30分あたり4%で一定。特別な保管をしていたわけではありません。

ポートが6口ある

家族3人でスマホを充電しながら、照明とルーターをつないでも余ります。容量よりこの口数が効く場面のほうが多いです。

6.8kgは一人で運べる重さ

現行の同クラス(600 New:約6.4kg)とほぼ同じです。重さの点では、旧型でも今のモデルに負けていません。

残量がパーセントで出る

「あと何%」がわかると、判断ができます。停電の最中に「あとどれくらい使えるのか」がわからない不安は、思っている以上に大きいものです。

家族3人の停電で、708をどう使うか

ここまでの数字を、家族3人の家庭に当てはめてみます。

先にお断りしておくと、以下は1台ずつの実測から組み立てた見通しです。 全部を同時につないだ状態では測っていません。

708にできること・できないこと

708で動かせるもの
  • スマホの充電(1回で残量6%消費)
  • 扇風機(30分あたり4%消費)
  • LED照明・ランタン
  • Wi-Fiルーター
  • ノートPC
708では無理なもの
  • 冷蔵庫の自動切り替え(UPS機能がないため)
  • エアコン(定格500Wを超える)
  • 電子レンジ・電気ケトル・ドライヤー温風
  • 炊飯器・ホットプレート

エアコンも冷蔵庫も動きません。 ここを誤解したまま備えると、いざというときに困ります。

一晩をどう乗り切るか(考え方)

夜の停電で、家族3人が必要なものを優先順で並べるとこうなります。

優先用途目安
1スマホの充電(連絡・情報)1台で6%(実測)。4台なら24%前後(1台の結果を4倍した推定
2照明(子どもの不安を減らす)未実測。手持ちの照明で確認を
3扇風機(夏の夜)1時間あたり8%
4Wi-Fiルーター未実測

扇風機を一晩つけると、それだけで6割前後を使います。 スマホの充電と両立させるなら、扇風機は寝入るまでの2〜3時間に絞る、といった判断が要ります。

真夏の停電は、電源より先に「避難」を考えてください
  • 708ではエアコンは動きません。扇風機だけでは熱中症を防げない場面があります
  • 室温が上がり続けるようなら、涼しい場所へ移動する判断を優先してください
  • ポータブル電源は「connect(つなぐ)ための道具」であって、暑さ対策の主役にはなりません

わが家の必要量を書き出してみる

上の表は筆者が用途を決めたものです。ご家庭ごとに答えは変わります。

この表をスクリーンショットして、家族で埋めてみてください。

わが家で使いたいもの台数必要な時間708で実測済みか判断
スマホ1台+扇風機との2台同時を実測3台以上は要確認
照明未実測自宅で確認
扇風機1台・148分長時間は未確認
ルーター未実測自宅で確認
冷蔵庫未実測銘板の消費電力を確認
その他

埋まらない欄が多いほど、備えができていないということです。 責めているのではなく、筆者も同じでした。

書き出したら、実際に708につないで試してください。カタログの数字より、自宅で動いた事実のほうが役に立ちます。

停電が長引いたら

708は満充電から使い切ると、次に充電する手段が要ります。停電が続いている間は、家庭のコンセントは使えません。

  • 車のシガーソケットから充電できます(公称約13時間)
  • ソーラーパネル(別売)があれば日中に充電できます(公称約11時間)

どちらも一晩で満タンにはなりません。 2日目以降も電気を使いたいなら、初日の使い方を絞る前提で考えてください。

半年に1回の点検で、具体的に何をするか

「点検しましょう」だけでは動けないので、手順にしました。30分あれば終わります。

半年に1回やること
  1. STEP 1見る:本体の膨らみ、変色、ケーブルの傷みを確認する
  2. STEP 2嗅ぐ・聴く:異臭がないか、電源を入れて異音がしないか確認する
  3. STEP 3充電する:ACアダプターをつないで、残量が上がっていくか確認する(80%前後まで)
  4. STEP 4出力する:手元の家電を1台つないで、実際に動くか確認する
  5. STEP 5記録する:日付と残量をメモしておく。次回と比べれば劣化に気づける

保管のしかたも、あわせて4つだけ覚えてください。

  • 満充電のまま長期保管しない(80%前後が目安)
  • 真夏の車内や極寒の屋外に置きっぱなしにしない
  • 保管中はACのスイッチを切っておく(つけたままだと待機電力で減ります)
  • 取り出しやすい場所に置く(押し入れの奥は、いざというとき出せません)

記録を残すのがいちばん大事です。 前回より充電に時間がかかる、前回より早く減る。その変化が、買い替えを考える合図になります。

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Jackery 708の基本情報と詳細スペック(公称値)

Jackery 708は、容量708Wh・定格出力500Wの中容量ポータブル電源です。2021年5月に79,800円で発売され、すでに生産終了しています。

キャンプや車中泊に加えて、「防災製品等推奨品」の認証を理由に防災用として買った方も多いモデルです。

以下はメーカー公称値です。実測値ではありません。

項目内容
バッテリー容量708Wh(191,400mAh)
定格出力500W(瞬間最大1,000W)
出力波形純正弦波 / 60Hz固定
出力ポートAC×2、USB-A×2(QC3.0×1)、USB-C(PD60W)×1、シガーソケット×1
入力AC / シガーソケット / ソーラー(DC入力180W)
充電時間ACのみ約5時間、シガー約13時間、100Wソーラー約11時間(天候次第)
サイズ約299.7×191.5×190.5mm
重量約6.8kg
バッテリー種類三元系リチウムイオン
サイクル寿命約500回で容量80%
発売 / 価格2021年5月 / 79,800円(生産終了)
保証3年(2年+自動延長1年)→ 2026年時点で購入者は全員が保証切れ

Jackery 708と現行モデルを比較

容量帯で見ると、708の後継にあたるのは600 Newです。

708(生産終了)600 New1000 New
容量708Wh640Wh1,070Wh
定格出力500W500W1,500W
電池三元系リン酸鉄リン酸鉄
サイクル寿命約500回約6,000回約4,000回
重量約6.8kg約6.4kg約10.8kg
充電時間約5時間最速約1.7時間
保証3年(終了済み)最長5年最長5年

※現行モデルの数値はメーカー公称値です。実機で検証したのは708のみです。

こう並べると、差が出ているのは容量ではなく寿命・充電速度・保証の3点だとわかります。容量だけを見ていると、この差は見えません。

スペックではなく「何が解決するか」で見る

ここがいちばん大事なところです。買い替えれば全部解決する、ということはありません。

あなたの不足708600 New1000 New
電池が古い・保証が切れている解決しない更新できる更新できる
充電に5時間かかるのを短くしたい解決しない最速約1.7時間公称値を要確認
500Wの上限を超えたい解決しない解決しない1,500Wで候補になる
容量を増やしたい708Wh640Whで増えない1,070Wh
軽さを保ちたい約6.8kg約6.4kg約10.8kgに増える

見落としやすいのは600 Newです。 定格出力は708と同じ500Wで、容量はむしろ少なくなります。

つまり、「708では冷蔵庫が動かないから買い替える」という理由で600 Newを選んでも、その問題は解決しません。 600 Newで解決するのは、電池の新しさ・保証・充電速度の3点だけです。

判断はこうなります

  • 今の用途で足りている → 買い替えない
  • 用途は同じだが、電池と保証と充電時間を新しくしたい → 600 New
  • 500Wの壁と容量不足を解消したい → 1000 Newが候補

なお1000 Newでも、すべての家電が必ず動くとは限りません。 冷蔵庫やポンプ類は、動き出す瞬間に定格の数倍の電力を必要とすることがあります。使いたい家電の銘板を先に確認してください。

708を捨てる必要はありません

現行モデルを買ったからといって、今ある708が無駄になるわけではありません。

  • 現行モデルを冷蔵庫など必要性の高い家電に使う
  • 708はスマホ・照明・ルーター専用に回す

こう分けると、2台体制になります。79,800円で買った1台を、主力から補助役へ移すという考え方です。

停電が長引いたときは、この2台目が効きます。1台を使い切っても、もう1台が残っているからです。

おすすめな人・おすすめしない人

このまま使い続けていい人
  • すでに708を持っていて、使い道を探している
  • スマホ・PC・照明が中心の使い方
  • ソロ・デュオのキャンプや車中泊で使う
  • 年に数回の防災点検用として置いておきたい
買い替えを検討したい人
  • 停電時に冷蔵庫を動かしたい
  • 自動で電源が切り替わるUPS機能が必要
  • 10年単位で防災の主力として備えたい
  • 本体に膨らみ・異音・異臭がある

使い続けることをおすすめする人

押し入れから居間に出すだけで、停電しても慌てない家になります。 買い替える必要はありません。

5年経った個体が公称どおりに動いたという事実が、その根拠です。

買い替えを検討したほうがいい人

この場合は、708で無理をするより現行モデルを検討したほうが安心です。ただし価格は6万円台からで、決して安い買い物ではありません。手持ちの708で足りるなら、買い替えないのがいちばん得です。

なお、本体に膨らみ・異音・異臭がある場合は、買い替え以前にまず使用を止めてください。

それ以外の方は、そのまま使ってください。 5年経った個体が公称どおりに動いたという事実が、その根拠です。

買い替えを考える前に知っておきたいこと

708はすでに生産終了しています。壊れたときの代わりはありません。

そのうえで、筆者自身の反省をひとつ書きます。

買うときに見ていたのは容量の数字だけでした。 708Whという数字と価格を比べて選び、電池の種類も、サイクル寿命も、保証年数も見ていませんでした。

今回いろいろ測ってみて、比べるべきだったのは寿命・充電速度・保証だったとわかりました。容量が同じでも、リン酸鉄と三元系では前提が違います。

これに気づくまでに5年かかりました。

これから選ぶ方は、容量の数字の隣に「電池の種類」と「保証年数」を並べて見てください。それだけで判断が変わると思います。

なお、価格は時期によって変わります。急ぐ理由がないなら、慌てて買う必要はありません。 まず手元の1台を点検して、足りないと分かってから検討しても遅くありません。

よくある質問

Q. 5年放置していましたが、そのまま使って大丈夫ですか?

まず本体に膨らみ・異音・異臭がないかを確認してください。問題がなければ、充電して正常に100%になるかを見ます。筆者の個体は5年放置していましたが、公称どおり5時間で満充電になりました。

Q. Jackery 708は新品で買えますか?

生産終了しているため、新品の流通はほぼありません。中古か在庫限りになります。

Q. 中古の708は買っても大丈夫ですか?

電池の劣化状況が確認できないうえ、メーカー保証も切れています。価格差が小さいなら、現行モデルを選ぶほうが安心だと思います。

Q. 何年くらい使えますか?

公称は約500サイクルで容量80%です。月3〜4回の使用なら計算上は10年前後ですが、保管環境で大きく変わります。

Q. 電気毛布は使えますか?

消費電力の面では使える計算になりますが、筆者は電気毛布を所有していないため実測していません。実測データが必要な方は他のサイトをご確認ください。

Q. 保証はまだ残っていますか?

2021年発売・保証3年のため、2026年時点で購入者は全員が保証切れです。

5年放置していましたが、そのまま使って大丈夫ですか?

まず本体に膨らみ・異音・異臭がないかを確認してください。

問題がなければ、充電して正常に100%になるかを見ます。

筆者の個体は5年放置していましたが、公称どおり5時間で満充電になりました。

中古の708は買っても大丈夫ですか?

電池の劣化状況が確認できないうえ、メーカー保証も切れています。

価格差が小さいなら、現行モデルを選ぶほうが安心だと思います。

電気毛布は使えますか?

消費電力の面では使える計算になります。

ただし、筆者は電気毛布を所有していないため実測していません。 実測データが必要な方は他のサイトをご確認ください。

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Jackery 708レビューまとめ

この記事の振り返り

  • 5年放置した個体が、公称どおり5時間で満充電になった
  • 扇風機は2時間28分で19%消費。減り方は30分あたり4%で一定
  • このペースなら約12.5時間、残量20%までなら約10時間の計算
  • 2時間28分の連続運転でも本体は熱を持たなかった
  • 弱点は出力ではなく寿命・充電速度・保証
  • 持っているなら使い切る価値がある。これから備えるなら現行モデル

押し入れから出すだけで変わること

旧型だからと押し入れにしまい込むのが、いちばんもったいない使い方です。

半年に1回動かして、残量を確認して、また片づける。たった30分の習慣で、次に停電したとき、懐中電灯を探して家中を歩き回らずに済みます。

家族のスマホは朝まで充電できます。扇風機も使えますが、一晩つけるなら残量の6割前後を見込んでおいてください。両立させたいなら、扇風機は寝入るまでの2〜3時間に絞る判断になります。

冷蔵庫もエアコンも動きません。それでも、灯りとスマホとネットは守れます。

いつもと同じ夜にはなりませんが、真っ暗で連絡も取れない夜にはならずに済みます。

まずは、押し入れから出して充電してみてください。それが今日できることです。

あなたが次にやること

判定ごとに、やることは1つだけです。いきなり買う必要はありません。

708で足りる人
  • 半年点検の手順をこのページで保存する
  • 追加費用はゼロ
  • 次の点検日をカレンダーに入れる
電池と保証を更新したい人
  • 600 Newの公式仕様と現在価格を確認する
  • 解決するのは電池・保証・充電速度
  • 容量と出力は増えないことに注意
500Wの壁を超えたい人
  • 1000 Newで使いたい家電の消費電力を確認する
  • 定格1,500Wで調理家電も候補に入る
  • 重さは約10.8kgに増える

どれも「確認する」で止まっています。 確認した結果、買わない判断になっても、それが正解です。

あわせて読みたい

最後に

このブログでは、持っているものを長く使うための実測を続けています。

新しいものを勧める記事はどこにでもありますが、「まだ使えるかどうか」を測った記事は多くありません。

押し入れの1台が動いたなら、それがいちばん安い防災対策です。

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